不健康でも、元気ならばいいじゃない。

戯言

つくづく思うことがある。
みんな「健康でありたい」と望んでいるし、それなりに気を遣っているけど、じゃあ「健康」だと何がいいんだろう?

もちろん健康であるに越したことはない。病気やケガをしていたら思うように仕事ができないし、その状態によっては、遊ぶどころか日常生活さえ不自由になってしまう。

あたしのような執筆業であれば、床に伏せようが入院していようが、PCやタブレットさえあれば仕事ができることもある。だがパフォーマンスの低下は免れない。
思うように体が動かなければ、ストレスだって溜まる。そのストレスにより、さらに体が蝕まれるという悪循環だってあるかもしれない。

日頃から病気にならないよう健康に気を遣い、ケガや事故も防げるよう身体的リスクをなるべく避けることは、自己管理のひとつ。
できるビジネスパーソンほど、運動や食事や睡眠を重視する。それは常にハイパフォーマンスを発揮するためだ。

しかし365日中、体調万全な日が100日もないあたしにとって、健康であることより大事なのは「元気であること」だ。

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自慢じゃないが、あたしは物心ついた頃から始終、どこか不定愁訴を抱えている。
常に体調不良や病気やケガにより、通院中だったり投薬治療中だったりしている。
どこも調子悪くないときは、歯医者や美容皮膚科や整体に通っている(笑)

そんな虚弱体質でも、半世紀近くを細く長く生きながらえたおかげで、この不便な肉体をも少しずつ操れるようになってきた。

丈夫な人と同レベルの無茶はしない。
サボってると思われても気にせず、早め長めに休息を取る。
無茶が必要な時期は、その後に「倒れてもいい日」を空けておく。

弱ければ弱いなりの処世術を駆使すれば、周囲に迷惑をかけず、自身が苦しむこともない。
天気に例えれば「晴れ、ときどき曇り(または雨)」がベスト。被害をもたらす台風や雪には見舞われず、一年中温暖な気候(体調)ならば、心はいつだって元気でいられるのだ。

心と体は繋がっている。だから体調が思わしくなくなるとメンタルもつられて落ちやすくなるし、病気になると誰しも心細くなる。
だからといって、必要以上にSNS等で「かわいそうな私」アピールをするのは、ちょっと痛々しい。

あたしも昔、そんな愚行をしていた時期があった。訴えたいのは他でもない、当時好きだった男だ。
男に冷たくされて落ち込むうちに体調を崩したのか、体調不良からかまってちゃんモード全開になったのかは「卵と鶏」的愚問である。

自身が幼稚な振る舞いをしてわかったのは、相手の同情を引くどころか逆効果になりかねないということ。

浅はかな考えは、頭のいい男にはお見通しだ。こちらの思考を(他人より)理解している恋人となれば、もはや同情心すら芽生えない。「またか」で流されてしまうのがオチだ。

好きな相手に限らず「病弱」「不運」「薄幸」といったネガティブ要素を前面に出すことは、マイナス要素でしかない。
同情心を見せたが最後、面倒に巻き込まれるかもしれないとしたら、うかつに優しい言葉はかけられない。
メンヘラの予測できない行動につき合えるほど、大人はヒマじゃない。そこでチャンスとばかり接近するのは、下心のある男くらいのものだ。

しかし安全圏であれば、誰だって優しい気持ちを発揮できる。
SNSの投稿にお見舞いのメッセがたくさん寄せられるのは、遠巻きで接するだけの浅い関係だからだ。

たとえネガティブなモードになる日があっても、オモテ(ブログやSNSなど)に書くかどうかは別の話。

以前は体調不良になるたび、いちいちSNSでボヤいていた。毎月生理痛で寝込んでいることまで読者と共有するほど、あけっぴろげに開示していた。
今は、業務連絡的に報告が必要なもの以外、考えなしに体調不良を訴えないよう気をつけている。女子日報告に至っては、彼氏に口頭で伝えるのみ。よくよく考えたら、セックスする相手以外に月経周期なんて「要らん情報」でしかないしw

そもそも「かよわく儚い女子(一部にはモテる)」がウリになるのは、若いうちに限る。中年女が不調を訴えようと、劣化や更年期な肉体を強調するだけだ(笑)ネタとして面白いケース以外、むやみに主張しないほうがいい。

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「健康をキープすること」は難しくても「元気でいること」は可能だとあたしは考える。

ヒステリックなまでの健康オタクになろうとは思わないし、ストイックに努力することもできない。
おそらく一生「平均より虚弱気味」な体質とつき合って生きることになるが、肉体に反してメンタルは意外と丈夫なので、不健康さに引きずられない術も身につけた。

いつも「楽しいこと」に意識を向けていれば、毎日元気な自分でいられる。
日々の充実は、あたしにとって健康よりも手に入りやすく、ずっと大切なものなんだ。

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