【愛生きバックナンバー】その一滴

バックナンバー

メルマガ『愛がなきゃ生きていけない』掲載のコラムです。
vol.26(2003.6.14配信)

現在も配信中!(無料)

この回は「KISS」連発ですねー。
あたしのことだから、これを書いた直前あたりに「キスされて惚れちゃった」事件があったんですよきっと。
(しかし相手が誰だったのかは、まったく思い出せず……w)

その一滴

以前「五感で惚れる(vol.12)」で書いたように、あたしの恋愛は動物的本能が大きく影響しているようです。

そんなあたしの、恋に落ちる瞬間。

それはやはり、スキンシップから生じるコトが多いです。
全く意識していないただの男友達に、酔ったイキオイなんかで手を握られて感じてしまったり、みたいな。

たぶん、それ以前からすでに「オトコ」を意識していたのかもしれないけど、友人関係のうちは、あえてスイッチを入れないように、お互い無意識下でコントロールしてしまうのでしょうね。

パンドラの箱を開けた瞬間から、それまでと全く違う関係が始まる……男と女は、不思議なモノです。

* * * * * * * *

そういえば。
言葉で「好きだ」「付き合おう」と告白されると、理性が先立つのかイマイチ乗れない場合が多いんだけど、不意討ちのKISSには弱いかもしれません。

何が違うんだろう……?

大胆な男らしさ?
その勇気と行動力?
ケモノの匂い?

いいえ、ホントは不意討ちなんかじゃないのです。
きっと……誘っているのはあたし。
唇を意識するように、あたしをオンナとして見てくれるように、何気ない会話や仕草で、あたしから小さくサインを出しているのかもしれません。

そして、触れた瞬間。
あたしの中の「オンナ」が、目の前にいる友人の「オトコ」を察知します。
元々好感を持っている友人であるから、そこから恋に落ちるのはたやすいこと。
今まで付き合ってきた彼氏は、ほとんどそんなキッカケから始まりました。

* * * * * * * *

逆に、意識的にサインを送るコトもあります。

「こっちを向いて」「あたしはあなたを見ているのよ」
決して言葉には出さず。
浅はかな知恵を総動員して、全身全霊で、あたしは伝えるのです。
あと一歩、近づきたい、と。

あたしはずるいオンナだから、決してこっちからは気持ちを打ち明けません。
つまらないプライドがどこかで邪魔をしているのだと思います。
サインに気づかない不粋な男や、あえて無視するような計算男は、こっちからお断り。

でもホントは……傷つくのを恐れて臆病になっているのかもしれません。
勝率100%でない恋は、始める前からそんな駆け引きの嵐。

オトナになるということは、自己防衛力が高くなりガードが固くなるコトでもあったんですね。
安売りしないのは、いいのか悪いのか。
無邪気になれない自分も、すっごく歯がゆくて切ないんだけど。

* * * * * * * *

そんなあたしのサインをちゃんと感じとって、同じだけサインを送ってくるような、恋愛経験に長けたオトコは、スマートにステップを進めていきます。

二人で逢う機会ができて。
酒を飲み、同じお皿のモノをつついて。
デザートを一口食べさせて、間接KISSを楽しんだり。
テーブルの下で足先が触れたのを、そのままくっつけてみたり。

お互い、気持ちを言葉にすることなく。
その先何が起こるのか、怖いようなドキドキするような。

それが恋なのかどうかはわかりません。
だけど、男と女でなければ味わえない、そんな時間を楽しめる余裕ができたのは、オトナならではの、醍醐味かもしれません。

* * * * * * * *

そこから恋に変わる瞬間。

それは、会話をさえぎるような、いきなりのKISS。
0.1秒くらい、唇が触れただけの。

一度目は、何が起こったのかわからなくて、彼の表情を伺うあたし。
確信犯だとわかる、悪戯っ子のような彼の笑顔。

そして、次はお互いの気持ちを確かめるようなKISS。
擬似SEXのように、お互いの舌を絡ませて、唇の粘膜を味わい、二人はただの男と女に変化してゆくのです。

唇から彼の体液があたしの体内に交ざると、まるで風邪をひいたように、その一滴のエキスで、カラダが変化してゆくのを感じ……

あたしは恋に落ちるのです。

タイトルとURLをコピーしました