メルマガ『愛がなきゃ生きていけない』掲載のコラムです。
vol.35(2003.8.16配信)
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34歳当時の彼氏……ああ、あの人かw
恋愛とも呼べないほどの戯れは記憶からすっかり抜け落ちてしまいましたが、おつき合いした彼氏くらいは、ちゃんと覚えています(笑)
あの頃はSEとして毎晩深夜に帰宅するような生活だったので、帰ってからわずかな時間にチャットをするのが、唯一の息抜きだったんですよね。
「たかがネット」と思うことなかれ。当時ネットからオフ会(リアル)で知り合った人のうち、今でも繋がってる友人はまだ10人くらいいるんですから。
縁ですね。
コトバアソビ
メールやチャットがごく当たり前のツールになってきた昨今。
ネットで出会い、逢わずに仲良くなるなんてのも、不思議ではなくなりました。
そこでも、オトコとオンナの間には、色気を成立させるコトができます。
面と向かっていないからこそ、言えるようなコトバ。
恋する相手じゃないからこそ、クールに興じることができる会話。
恋愛がそこに生まれているのかは、わからない。
恋のようでもあり、ただのゲームのようでもあり。
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だけど、そんな場合でも相手を見極めないと、トラブルが起こります。
こっちはただのコトバアソビのつもりでも、本気にしてしまい熱くなってしまうオトコもいるのです。
以前、ネットで仲良くなったオトコと、毎晩メッセンジャーでコトバアソビを楽しんだことがありました。
しかし彼は、だんだんエスカレートして、そのうち「逢おう」「好きだ」とばかり言うようになりました。
別にその彼をキライではなかったんだけど(キライならそもそも話さないし)、特に逢ってみたいと思うほど惹かれてもいなかったあたし。
彼も同じように、ただコトバアソビに興じていただけかと思っていたのに……。
ネットでは、体温の違いまでは彼には伝わらなかったようです。
確かにリアルで接する機会を持てば、いくら出会いがネットとはいえ、恋愛関係への発展もアリだと思います。
実際、今の彼氏も出会ったのはネットがきっかけだったし。
だけど、いくら顔写真を交換していたとはいえ、逢わないうちに惚れるなんて、昔も今もあたしには考えられません。
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世の中にはいろんなヒトがいます。
ネットというバーチャルな世界でも、恋が生まれ想いが通じ、一度も逢ったことがないのに、
「あのヒトと付き合ってるの(はぁと」
などと解釈する人も、ネットの世界では少なくありません。
前述のオトコとの会話を楽しんでいた時期。
まだメッセンジャーというツールもあたしにとっては新鮮で、たまたま毎晩話せるのがそのコだったのでした。
当の本人には残酷だけど……たぶんあたしは、楽しく会話ができるなら、誰でもよかったのかもしれません。
その後、ちょっとしたコトがきっかけで、そのオトコとは自然と疎遠になりました。
もちろん、逢うことも実現しないまま。
ネットの繋がりなんて、始まりもお手軽なら、切れるのも簡単。
そんなコトを実感した出来事でした。
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今も時折、ネットで接する仲良し(リアルで友人になったオトコも含め)と、コトバアソビに興じることがあります。
さすがに、誤解が生じることのないよう相手は見極めますが(苦笑)
言葉をあやつるのは得意なあたし。
最近わかったのですが、やっぱりオトコとオンナである以上、何の色気もないような関係だとしても、会話の中にちょっと「オンナ」を匂わせるようなエッセンスを込めたほうがいいみたい。
すると、喜んで会話に乗ってくるコトが多いです(笑)
あたしだったら……
(あなたと)こんなとこに行きたい。
(あなたと)こんな風に過ごしたい。
(あなたと)こんな風に抱かれたい。
あなたは、どんなのがいい……?
どんな会話も、あくまで妄想(バーチャル)の世界。
ホントは「あなたと」じゃないの。
自分のパートナーとは、叶えたくても叶わない。
そんな切ない望みを抱えつつ、バーチャルな世界でのコトバアソビ。
憂さ晴らし?
バーチャルな浮気?
「寝てない、何も始まっていない関係だから、楽しめるんだ」
ネットでコトバアソビをしていた、あるオトコがそう言いました。
リアルな進展に結びついてしまったらもう、オトコというものは会話に酔うことはできないんだとか。
コトバアソビ。
それは、言葉のマスターベーション。
相手を楽しませているようで、実は自分が楽しみたいだけ。
リアルじゃないからこそ、現実にはできないような大胆なコトが言えるのかな。
誤解のないオトナ同士だけが楽しめる、そんな会話。
それを楽しいと思うか虚しいと思うかは、自分次第なのかもしれません。