「普通」ってなんだろう？
生まれてこのかた、たぶん一度もフツーだと言われたことがないあたしとしては、「普通の人」に憧れを抱きつつ、そもそも何がフツーなのかよくわかってなかったりする。
（だから巷の「普通」と定義される基準から逸脱してしまうのだが）
あたしは商売柄、恋愛や結婚に関する悩みを収集しまくっている。みんなが悩んでいることや問題になっていることを拾い集め分析し、その中から島田佳奈が答えられそうなものをピックアップし、どこかのコラムで発信している。
いつも不思議に思うのは、パートナーの振る舞いや人格や悪癖などのさまざまな悩みに、以下のような言葉で締めくくる人が多数いること。
「これって普通なのでしょうか？」
「普通は○○だと思うんですが……」
「○○って、普通じゃないですよね？」
悩んでいる当事者は、彼氏彼女や夫や妻や好きな人と接する中、自分が「普通（常識）」「当然」だと思いこんでいることから外れる事件や言動に遭遇したのだろう。
そして、不快な気分になったり悲しくなったり怒りが湧いたりした「その場」で相手に確かめることはせず、あるいは相手に言いくるめられたりして、その後「悩み」として心の中に蓄積してしまうのだ。
悩みに答える立場としては不謹慎だが、ぶっちゃけ「めんどくさいなー」と思ってしまう。
悩みに答えること自体ではなく、無駄に悩みを生み出してしまう、その思考が。
「普通」信者は、何事もフツーであることにこだわる。
平均から外れないよう、常にマジョリティーであるよう意識し、マイノリティー側に置かれることを許さない。
学生時代から、平均点を取れなくて悩む。みんなより身長が高くても低くても悩む。親が普通じゃないと悩む。
平均給与より少なければ悩むものの、脱サラして起業するなんて「大衆と違う」ことはできない。
みんなに恋人がいるのに自分だけいなければ悩み、周りより結婚や出産の時期が遅れれば悩む。
恋人が友人の彼氏より鈍感だと悩み、世の中の水準よりケチだと悩み、他のカップルより愛されていない気がして悩み、平均交際期間でプロポーズされないと悩む。
反面「みんなもそうだから」と思えれば、共働きなのに家事をやらない夫に不満があっても「しょうがない」と我慢し、モラハラを受けても耐え、子育てに協力しなくても文句を言わない。
「普通」信者は、悩みを生み出すことにかけては天才級。そして我慢することにかけても。
普通思考さえやめれば、簡単に人生は楽しくできる
誰かが定義した「普通」にこだわらなければ、それらの悩みは生じない。
我慢することで消耗させているエネルギーを「自分を高める努力」に費やせば、今よりずっと幸せで、今よりずっと毎日が楽しくなる。
あなたが何らかの悩みを抱えたとき、まずは自分に問いかけてみよう。
それは「普通じゃないこと」だから、モヤモヤしているのか。
それとも「素の自分が納得できないこと」だからなのか。
後者だとしても、一番簡単な解決法は、第三者への相談より「直接かかわる当事者（パートナーなど）」に訊いてみること。
「言って嫌われたらイヤ」「ケンカになるから言いたくない」
それが本音なら「言わない」時点で悩むのやめようよ。
「言わない」選択をしたのも自分なんだからさ。
一度は「言わない」と決めたくせに、ハラに溜め込んだあげく一気に爆発させるのは、最悪な選択。
そんなのフツーじゃないよｗｗｗ
