男も家電も簡単に捨てないほうがいい。

戯言

4年前に買った掃除機の、吸い込みが悪くなった。

ホースを全部外し、サイクロン本体も外して点検したが、何も詰まっている様子はない。
寿命にしては早いなーと思いつつ、ここしばらく電器屋とamazonと楽天と価格コムを巡回していた。

掃除機なんて、しょっちゅう買い換えるものではない。だからこそ、テキトーなヤツでお茶を濁さず、最新機種でそれなりに高機能なモノが欲しいと考えていた。第一候補は、やはり吸引力といえばのダイソン。
しかし家電の壊れやすさは値段とは無関係。今回たった4年で不具合が出たことを思うと、単純に吸えればいいだけの安価なモノにしたほうがいいのかなーとも思った。

高い掃除機と安い掃除機。どっちにするか決められないまま、1ヵ月が経過した。
その間、フローリングはカラ拭きと水拭きで、ラグはコロコロを使いまくって掃除していた。1kの狭い部屋でなければ絶対にできない芸当だ。
掃除機ひとつ買うのにどれだけ迷ってるんだ、と自問自答したが、どうにもあたしは妥協ができない性格らしい。

あたしが目をつけたダイソン(中くらいの機種)は、7万近くもする。決して衝動買いできる金額じゃない。
国産メーカーでも上位機種は4万くらい。いや安いのなら1万くらいで買えるのだが、ここまでピンキリだと逆に迷ってしまう。

「片づけられない女」を卒業できたのは、犬のおかげ

あたしにとって掃除は「浄化」のひとつだ。好きとも嫌いともいえない。ただ「浄化」だと思えるようになってからは、苦手意識はなくなった。

20代の頃まで、あたしは「片づけられない女」だった。さすがにゴミ屋敷ではなく食べたモノを片づけたり流しやバスルームなどの水回りだけはキレイにしていたが、いかんせん部屋面積に対してモノが多すぎたため、本や雑誌や洋服を収納しきれず積みまくっている状態だった。

当時の彼氏(キレイ好き)が初めて部屋にやってきたとき、玄関を埋め尽くす靴たちを見て「合宿所みたいだな」と言った。その後、彼氏は毎週末あたしの部屋に来るなり片づけと掃除をしてくれていた。
今思えば、なんて面倒見のいい男だったんだろう。感謝しかない。いやむしろ、そんな部屋に平気で男を連れ込んでいた己を恥じるべきだと思うが。
(水回りとベッド周辺だけは整えていたから、まだ彼氏も耐えられたのだろう・笑)

現在、掃除機は週に1~2回だが、使い捨てシートでの床拭きとコロコロだけは毎日かけている。月末進行など多忙な時期はサボってしまうものの、基本わりとマメに掃除はするほうだ。片づけのほうも、月に1回以上はどこかしら断捨離をやっている。

あたしが「片づけられない女」を卒業できたのは、ひとえにエディのおかげだ。
室内犬を飼えば、抜け毛が出る。頻繁に掃除しなければ、ヤツの毛だらけになってしまう。犬がイタズラするから、床にモノを置きっぱなしにはできない。もう今は老犬だからイタズラはしないが、13年も一緒に暮らしていれば、おのずと掃除も片づけも習慣になる。

ペットがいる家では、掃除機もパワーが必要になる。吸引力が低いモノでは、カーペットの中に入り込んだ毛まで吸い取ってくれないからだ。

さすがに毎日の床拭きとコロコロだけでは、手の入らない隙間にホコリ(と犬の毛)が溜まっていく。
吸い込まなくなった掃除機は2万程度のモノだし、有償で修理に出すくらいなら、新しいヤツを買ったほうがいいのはわかっていた。
しかし、今の掃除機は吸い込みが悪くなっただけで、故障したわけではないことが、あたし的には腑に落ちなかった。

「故障かな?」と思ったら、まずは説明書を熟読しよう

不意に、掃除機の説明書を取り出してみた。
よく巻末にある「故障かな?」のページを見ようとめくっていたら「メンテナンス法」のページが。
実はそこに、今回の罠が隠されていた。

「え、ココ開くの!?」

サイクロンは、ゴミ捨ての際にワンタッチで外れる仕組みになっている。
しかし、サイクロン自体のパーツが分かれる(外れる)ことは、ずっと知らなかった。

購入以来、一度も触っていなかったサイクロンのフィルター部。
おそるおそる開けてみたら……。

フィルターが見えないほど、みっちみちに綿ボコリが詰まってるし!!
(さすがにひどかったので、写真は割愛)

サイクロン機能により圧縮されたそのホコリは、ほぐすのも大変なほど。
およそ1時間かけて除去し、再度組んで装着してみたら……ええ直りましたとも。何もかも吸い込んでしまいそうなほど、吸引力復活(笑)

嗚呼、安易に買い替えなくて正解だった。

家電も男も、ポイ捨てはダメ絶対!

よほど壊れて修理不能とならなければ、家電は簡単には捨てられない。あたしはそこまで非情な女じゃない。

わかってる。パフォーマンスが落ちた状態のままでいるのが不毛なことは。
結局そうなったら使わず放置するわけだし、だったらちゃんと使えるモノに買い替えたほうがストレスも溜まらない。
でもね、家電は消耗品とは違うのだ。男同様マメに可愛がって、最後まで大切に使ってナンボの代物。簡単に捨てちゃアカンのだ。

二度目の結婚(事実婚)生活を終わらせた4年前、本と服と少しの私物以外ぜんぶ置いて家を出たあたしは、すべての家電を新たに揃えた。
予算は決まっていたものの、その中で機能からデザインから一番気に入ったモノを選んだのだから、どれもお気に入りだ。毎週活躍してくれる掃除機に、愛着がわかないはずがない。

今回、命拾いした掃除機は、どんな気持ちで今ホコリを吸っているのだろう。
「捨てられなくてよかった」と思ってるかな。

むしろ「どうして今までフィルター部を掃除してくれなかったんだ!おかげで息が苦しかったじゃねーか」とあたしを恨んでいるかな。
ごめんね、掃除機くんw

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