メルマガ『愛がなきゃ生きていけない』掲載のコラムです。
vol.17(2003.4.12配信)
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ここに登場した「男」とは、不倫の関係でした。
そもそも一番じゃないし、というツッコミはさておき、ソイツは不倫で二股をかけようとしてたんですよね。
妻の座は別格として、恋人として「同位タイ」な存在が他にできるのは、如何ともしがたい。
「そっちがそうならあたしだって」
他にボーイフレンドを作ったところで責める資格ないよね、と行動に移し、結局独り相撲という顛末。なんて若くて浅はかな(笑)
大人になったからでしょーか、いつからか愛情が愛憎に変わるような恋愛はしなくなりましたね。
恋愛に所有欲とか支配欲みたいな感情を持ち込まなくなれば、「好き」はシンプルになるんですよ。
何も求めない、何も期待しない(いい意味で)。
ただ「あなた」がそばにいてくれさえすればいい。
そんな慈愛に満ちた恋愛は、いろんな経験をして大人になったからこそ、できるのかもしれません。
蛇足ですが、都合の悪いときだけ言い訳せず「男は黙って」をやらかし、あたしを幻滅させた相手は別の男です。w
憎むのも愛情
一見矛盾しているような「愛情」と「憎しみ」。
だけど誰かを「憎い」と思うのは、少なくともその相手が気になっている状態なのは間違いありません。
何の接触もない相手を憎いと思うことは、まずありえません。
相手に対し興味が起こり、けれど、期待に反する行動をとられたり、相手に嫌われてしまうコトがきっかけで「憎しみ」は起こり始めます……。
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例えば愛する男が自分以外の女を優先した時、あたしはその男を憎いと思います。
とても身勝手な感情なのはわかっています。
彼氏に「愛されて当然」とまで傲慢な気持ちにはなりませんが、それでも気持ちの通じている恋人同士なら、彼の思考回路やそこから発生する行動には、あたしを一番に優先していると思いたいのが女心です。
「仕事」のような、順位をつけられないモノと比較しているのではありません。
「あたし」と「他の女」ならば、比較となるカテゴリだと判断するのは当然でしょう。
少なくとも事情がわからなければ、順位の入替に納得できるワケがありません。
愛情が憎しみの感情に変化するのは、とても悲しいことです。
そう思いたくないから、あたしはその男に理由を問い詰めます。
しかし、問い詰められる側は、残酷にも「無自覚」だったりします。
昔、自分が逆の立場になった時、やはりあたしは無自覚でした。
その時の相手の「憎しみの表情」がとても怖かったのだけを覚えていました。
そんなコトを思い出し、一概に責められないな、と思いました。
だからといって、一度沸いた憎しみは、そう簡単に消化できません。
あたしは相手の態度から、なんとか愛情を汲み取ろうとしました。
例え無自覚でも、あたしの気分を害したコトについて、反省してくれればいいのです。
みっともない言い訳をするのは男らしくないかもしれないけれど、昔気質の「男らしさ」や「沽券」にとらわれて黙ってやりすごす男よりは、少なくとも反省も愛情も感じられます。
そんな言い訳をする「女々しさ」を、あたしは好意的に捉えます。
普段、男らしい頼もしさや包容力を発揮しないタイプの男なのに、そんな時だけ男らしさを持ち出すような態度を示されたコトがあります。
その時あたしはあっけなく幻滅してしまい、愛情も憎しみも消えていきました。
「なんで今までこんな男を好きになっていたのだろう」
という、後悔の念だけが残りました。
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憎しみという感情を、内側だけで消化させるコトは困難です。
苦しみから解放されたいと思った時、消化させる方法はただひとつ。
愛するのをやめてしまえばいいのです。
憎むのさえバカらしくなるほど、興味を失えばいい。
いっそ関わりたくないくらい、嫌いになってしまえばいい。
それがなかなかできないから、苦しいのです……。
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「憎い相手には復讐すればいい」
以前、そんな恐ろしい感情が沸き起こったコトがありました。
どうすれば自分がされたコトの残酷さを知らしめてやるコトができるか……
「目には目を、歯には歯を」です。
あたしはそれを実行してしまいました。
でも彼はそんなあたしを問い詰めたりはしませんでした。
なぜ?
気づいていないほど鈍感だから?
「復讐」に気づき、あたしを愚かなオンナだと幻滅したから?
それとも自分のしたコトの残酷さに気づき、あたしを責められないと思ったから?
渦中にいる間は冷静さを失ってしまうものですが、後から考えると、その行動はとても浅はかで幼稚で意味のなかったモノに思えました。
復讐というよりも、腹いせ。
ただの自己満足にすらならないほど、後味の悪い気分になりました。
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恋愛は育むモノであって戦うモノではありません。
何度恋愛を経験しても、感情の産物だけはコントロールが難しいと思います。
「なぜこの男をこんなにも愛してしまうんだろう?」
と思うのとは違い、憎しみにははっきりとした理由があります。
なのに……憎まないように制御するのは、不可能に近いのです。
辛い状態すらも、恋愛においては「醍醐味」だと考えるあたしですが、まだ憎しみと付き合うのは上手ではないようです……。